- 治療法について
乳がん温存術後の放射線治療、副作用・注意点は?
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放射線治療は、体の負担の少ない治療法ですが、多少の副作用はあります。
どのような副作用があり、いつ起こるのでしょうか?
Contents
髪の毛は抜けるの?
女性なら特に気になる、頭髪の脱毛。放射線治療では起こるのでしょうか?
放射線治療の副作用は、放射線をあてたところを中心に起こります。
だから、乳がん温存術後で、乳房の近くや、わきの下などを中心に放射線をあてるぶんには、脱毛はありません。
ただし、脳転移などがあり、頭に放射線治療を行う場合は、放射線の影響で髪の毛が抜けることはあります。
放射線治療中に起こる副作用(急性障害)
乳がんで温存手術後に行う放射線治療では、主に放射線をあてている皮膚の障害が出ることが、中心となります。
放射線治療中に皮膚に起こる可能性のある変化は
・皮膚が日焼けをしたように赤くなる
・乾燥する
・かゆみ
・ヒリヒリする
などが、主な症状です。
これらの症状は、時間がたつとともに、良くなっていきます。
また、まれに放射線の急性障害として、全身のだるさを訴える方もあります。
放射線治療後に起こる副作用(晩期障害)
放射線治療が終了して、しばらくしてから出てくる、副作用もあります。
これらは、晩期障害と言われ、
・皮膚や乳腺が固くなる
が、主な障害です。
また、
・皮膚が黒ずむ
・皮膚に毛細血管が浮き出る
などの皮膚の症状が出ることもあります。
もしも出た場合は、良くなりにくいのですが、ほとんど起こりません。
まれだが、受診が必要な晩期放射線障害ー放射線肺炎
また、ごくまれに
・放射線肺炎
と呼ばれる、肺炎になることがあります。
これは、非常にまれですが、適切な治療が必要。治療後の回復は良好です。
放射線治療後に発熱やせきが続く、といった症状があるときは、かかりつけの病院で相談しましょう。
放射線治療後に人工乳房で再建はできる?
上で見てきたように、放射線治療後は多かれ少なかれ、皮膚がダメージをうけて、かたくなります。
そのため、皮膚がのびづらく、人工乳房での再建は難しくなります。
自家組織による再建は、場合によっては可能とされていますが、放射線治療後の皮膚がかたくなるのは、同じなので、手術がやや難しくなります。
乳房再建術を多少でも考える方は、放射線治療が必要な温存術を選択するか、いっそ全摘術を選択するか。主治医に希望を伝えながら、よく相談し、治療法を決めていくことが必要です。
放射線療法中の注意点
・乳房につけたマーキングが消えないよう、注意しましょう。
・ただし、皮膚が弱くなっているため、感染を防ぐ必要があります。お風呂ではこすりすぎに注意して、清潔にしましょう。
・放射線をあてることによって、皮膚が敏感になっています。刺激を与えないように注意してすごしてください。
・衣類や下着は柔らかい素材のものを。
・治療中の部位が熱く感じるときは、軽く冷やします。
・乾燥やかゆみには保湿を。ひどくなる前に、一度看護婦さんに相談を。
まとめ
乳がん温存術後の放射線治療で起こりやすい、副作用、注意点についてまとめました。
皮膚の副作用が主です。
分からないことがあれば、遠慮なく病院スタッフにお尋ねください。
放射線治療後の乳房再建術は難しいことが多いので、再建術を希望される方は、治療が始まる前に、よく主治医とご相談くださいね。