- 乳がんの症状・基礎知識
乳がんってどんな病気?なりやすい場所は
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まず、「乳がん」とは胸の乳房にできた「がん」のことです。
当たり前のことですけど、じゃあ、「がん」って何でしょうね。
少し、改めて考えてみましょう。
Contents
「がん」とはどのようなもの?
「がん」は「悪性腫瘍(悪性の腫瘍)」とほぼ同じ意味。
「腫瘍」というのは「細胞が勝手に増えていった塊」のことを指します。
人間の体をつくる細胞には、もともと、増えて、
古い細胞と入れ替わったり、成長したりという性質があります。
普通は規則的に増えて、大人の場合は、適切な細胞量がたもたれます。
しかし、ある細胞がドンドン、勝手に増えていく異常な状態になることがあり、
これが「腫瘍」と呼ばれるものです。
「腫瘍」の中でも、周辺の組織にどんどん広がったり(浸潤)、
別の場所でも同じこと(勝手に分裂するなど)が起きる(転移)性質をもったものが、
「悪性の腫瘍」で、すなわち、「がん」と言われるものです。
「がん」でどうして死ぬの?
「がん」の何が問題かというと、
勝手に増えた細胞は、本来の役割や機能を果たしません。
乳がんが乳房にとどまっている間は、極端な話、
大きな問題とは ならないかもしれません。
(授乳期でなければ、乳腺自体はほとんど働いていませんからね。)
しかし、そんな細胞が全身に広がってゆくと(転移すると)、
脳や肝臓などの組織が本来のはたらきができなくなり、
健康が維持できなくなるというわけです。
また、がんが全身に増えると、がん細胞が栄養をたくさん取ったり、
異常な信号を出し始めたりと、
体中で大暴れするために、体が消耗してしまい、
肺炎などの感染症で、なくなってしまうことが多くなります。
「がん」はどうしてできるの?
このような異常な細胞はなぜ生まれるのでしょうか?
細胞内の遺伝子がキズついたことが原因だと考えられています。
遺伝子は「細胞の設計図」ですが、ここが なにかの原因で壊れると、
異常な細胞分裂が起こって、腫瘍ができてしまうのです。
通常なら、異常な細胞ができても、それを壊す仕組みがあるのですが、
その仕組みがうまく働かなかった場合、「がん」として、
どんどん増えていくことになります。
では、乳がんはどのようなところにできるのでしょうか?
胸の構造からみていきましょう。
胸、乳房の構造、乳がんが出来る部位
胸には、乳房をはじめ、大胸筋などの筋肉、血管(腋窩動静脈)、リンパ(リンパ管、リンパ節)などがあります。
乳房は、乳汁を作りだす「乳腺」と呼ばれる組織と
その周囲を支える脂肪などの組織から形作られます。
「乳腺」は、乳汁を作る「小葉」と乳汁がとおる「乳管」からなり、
小葉で作られた乳汁は乳管を通って乳頭へと運ばれます。
乳頭につながる乳管を一つのまとまりの単位と考えると、
乳腺は、乳頭を中心にして、15~25のまとまりが、樹枝状に広がっていています。
それぞれのまとまりごとに、乳口が開いており、授乳期には乳汁が分泌されます。
乳がんのほとんどは、この「乳管」や「小葉」からできます。
乳房の中で、乳がんができやすい場所は?
上述のように、乳がんは乳腺の乳管や小葉からできます。
乳腺の組織は、授乳を経験し、年をとると、
徐々に脂肪組織に置き換わっていきます。
その時、脂肪になりやすいのは、乳房の下側、尾側からで、
あたま側は比較的乳腺の組織が残りやすいです。
そのような関係もあり、乳腺の頭側、外側(わきの近く)に
乳がんの多くは出来ます。
自己触診の際は、そこを重点的にチェックしてみてくださいね。
乳がんと女性ホルモンの関係
乳がんの発生や大きくなること には「エストロゲン(女性ホルモン)」が大きくかかわっています。
エストロゲンは女性にとって大切なホルモンですが、
約60~70%の乳がんに対して、がん細胞の成長を助ける働きをします。
これをホルモン依存性のがんと言います。
したがって、エストロゲンの刺激にさらされる期間が長いほど乳がんになる可能性が高いとされています。
男性は乳がんにならないの?
まれですが、男性の乳がんもあります。
乳がん患者さんの100人に一人くらいが男性と言われています。
乳がんにかかる方が多いことを考えると、
男性乳がんも、そんなに珍しい、とは言えないですね。
まとめ
乳がんとは主に女性の乳房のあたま側外側にできやすく、
乳管や小葉といった部分がもととなって、起こる病気です。
男性もかかることがあります。
がんは大きくなって、転移することで、死に至る病気となります。
体の表面にある乳房に出来る乳がんは、
他のがんに比べて、自分で見つけやすいガンです。
当サイトを参考に早く乳がんをみつけ、治療につながる行動を取ってくださいね。