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乳がん全摘手術(乳房切除術)って?切除範囲、再建との関係は?

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乳がんのとき、行われる手術は大きく、

乳房切除術(全摘術)と乳房部分切除術の二つに分かれます。

今回の記事ではいわゆる全摘術と呼ばれる、乳房切除術についてお伝えしますね。

両者の手術法のだいたいの違いや
手術方法を選択するときに知っておきたいことについては
こちらの記事も参照くださいね。⇒

乳房切除術(全摘手術)

乳がんの手術は歴史的にいろいろな変化がありますが、

現段階では、乳房切除術(全摘手術)は、胸筋を温存した手術がほとんどです。

切除範囲は

腫瘍(しこり)を含んだ乳腺全部、

乳頭、皮膚の一部が含まれます。

乳房全摘術1-2

手術法によっては乳頭を残す場合があります。

乳房切除術(全摘手術)が適応となるのは?

全摘手術を選択する主な理由は以下の通り。

・腫瘍自体が大きい・乳房の広い範囲に腫瘍がある。

・乳房内に複数の腫瘍が散らばっている(多発乳がん)

・腫瘍自体は小さいが、乳頭直下に位置している

・温存術の適応があるが、術後の放射線治療が受けられない

・患者本人が全摘術を希望

・乳房再建術を希望しているが、遺伝的や家族的な素因のために、再発しやすいことが予想される。

 

さまざまな理由がありますね。

上を見ればわかりますが、

全摘術を選択する理由は、主に2つにまとめられます。

 

・乳がんの広がりの関係で、全摘術になる
・乳がんの広がり以外の要因

 

乳がんの広がりや位置の関係で全摘術になる場合。

乳がん手術の目的は「乳がんを過不足なく取りのぞき、治療すること」が第一目的なので、やむを得ません。

温存術を希望される気持ちは分かりますが、以下に述べる再建術のことも、少し読んでみてくださいね。

 

 

では、乳がんの広がり以外の理由で乳房切除術を選ぶことについて、見ていきましょう。

再建術をみすえての乳房切除術

乳房部分切除術が可能な場合でも、乳がんの場所や大きさによって、残存乳房が大きくゆがんだり、健康な乳房との差が大きかったりする場合があります。

胸についても考える

乳房術後に再建術を行う場合、

乳房全体を切除して、再建することで、きれいな乳房ができるようになりました。

そのため、手術後の生活を良くイメージして、乳房の形に重きを置く人には、乳がんの広がりに関係なく、乳房切除術を選択する人も増えてきています。

遺伝的・家族的理由での乳房切除術

遺伝的に乳がんになりやすい方の場合、乳房温存術を選んだ場合、残った乳房に新たな乳がんができやすい傾向があります。

そのため、遺伝的な要素が考えられる方の場合は、乳がんの大きさ・広がりに関係なく、乳房切除術が勧められることがあります。

放射線治療が受けられない方、いやな方

乳房温存術後には、残っている乳腺にがんの再発を防ぐため、放射線治療が必須です。

乳がんに対する放射線治療roujin_xsen_chiryou

そのため、放射線治療が受けられない方は切除術を選ぶことになります。

 

「放射線治療が受けられないとは、どういう場合?」について、

詳しくはこちらの記事をどうぞ⇒

 

乳房切除術のメリット・デメリット

メリットは

・局所再発の可能性が小さくなること

・放射線治療がほとんど必要ない

(放射線治療のため、通院する必要などはない)

デメリットは

・乳房がなくなる

・再建によって自然に近い乳房もできるようになったが、手術を複数回受ける、お金がかかるなどの点もあり。

乳房切除術の実際

それでは、乳房切除術を受ける場合、どのようなものになるか、見ていきましょう。

麻酔の方法、手術時間は?

全身麻酔で手術は行われ、約2-3時間かかります。

わきの下のリンパ節を出来るだけ残す、センチネルリンパ節生検を同時に行うことが普通です。

手術後はドレーンという細い管を、手術した場所に入れて置き、手術後の血液やリンパ液を体外に出します。

ドレーンが抜けるようになったら、退院できます。

 

再建術のために乳頭、皮膚を残すこともあり

再建術を希望する場合は、かならず、手術の前に主治医に再建術を行いたいという希望を伝えます

個々の乳がんの状態にもよりますが、乳頭や皮膚を残すことができることもあります。

よく、主治医と相談し、どのように手術をしてもらうか、その後の再建術につなげていくか、を決めていってくださいね。

乳房切除術の費用(3割負担の場合)

一週間の入院で約20万円程度

ただし、入院の差額ベッド代などは別になります。

まとめ

乳房切除術につてまとめました。

特に、手術選択の際に気を付けたいことに重きを置いています。

主治医、看護師、手術を経験後の先輩の患者さんなど、いろいろな方と話をして、ご自分の場合はどうするか、よく考えてくださいね。


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