- 乳がんの検診
乳腺エコー(超音波)検査とは?
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乳がんの検査に用いられる画像検査のうち、まず行われることが多いのが、
マンモグラフィーと乳腺エコー(超音波)検査です。
検診の場合は、マンモグラフィーが優先されますが、
場合によっては、乳腺エコー検査を選択する場合もあります。
今回の記事は、乳腺エコー(超音波)検査についてまとめました。
Contents
乳腺エコー(超音波)検査とは?
乳腺エコー検査とは、診察台の上に仰向けになった状態で受けます。
おなかのエコー検査と同様に、
皮膚にジェリー状の液体を塗り、超音波を出す端子を検査部位にあてます。
(イラストはおなかのエコー検査ですが、ほぼ同じです)
端子を通して得られた乳房内部の情報は、モニターに映し出されます。
モニターの画像を検査者が観察して、病気の有無などを調べる検査です。
検査の時間は約20分ほどです。
マンモグラフィー検査と違い、画像検査自体には痛みもありません。
乳腺エコーの得意分野
超音波検査(エコー)では、触診検査では検出できない
「小さなしこり」を発見することが出来ます。
また、「しこり自体の状態」を詳しく調べる事が可能で、
この点が乳腺エコーの大きな特徴です。
実は、マンモグラフィー検査は、影絵のようなものです。
怪しい影がある、と分かっても、
「じゃあ、その影は良いもの?悪いもの?」
という区別に関しては、特徴のはっきりしているもの以外は、
大ざっぱにしかできません。
一方、乳腺エコー検査では、
腫瘤の辺縁や形、内部の様子などをみることで、
以下のような病気を詳しく調べることが出来ます。
乳腺のう胞(乳腺に液体が溜まってしまい発生する)、
線維腺腫(良性のしこり)、乳がんなど。
また、乳房の表面組織や乳管の状態の変化、
乳房の深部にあるしこり発見に有効とされています。
エコー検査を受けられない人は?
基本的にどなたでも、臥位になれる方は受けることが出来ます。
マンモグラフィーとは異なり、放射線被ばくがありません。
妊娠中の方でも、安心して受けていただくことが出来ます。
そもそも、妊婦健診の時に用いられるエコー検査と、同じものです。
乳幼児のおなかの検査の定番でもありますので、安心ですね。
乳腺エコー検査が乳がん検診の第一選択じゃない理由
誰でも受けることができ、痛みも、放射線被ばくも ない検査。
しこりの内容も、見分けることが出来る。
どうして検診ではマンモグラフィー検査が、第一選択なのでしょう?
理由は以下の三つで、これらは乳腺エコーの短所になります。
・検査を行う人の技量により、検査内容が左右されやすい
・乳がん初期症状である石灰化が苦手
以上の理由により、多くの人から、がんの人を拾い上げることが目的の、
検診ではマンモグラフィー検査が第一選択になっています。
検診で第一選択のマンモグラフィー検査って? ➡ ★★★
ただし、マンモグラフィーが不得意とする、
乳腺の量の多い方(高濃度乳腺の方)などの場合は、
乳腺エコー検査をすすめられることも、あります。
検査の選択に関しては、受けられる施設でご相談くださいね。
乳腺エコー検査の結果の見方。カテゴリー分類について
カテゴリー分類とは、腫瘍の種類が、良性か悪性かの確信度を表現する方法です。
以下が、乳腺エコー検査においてのカテゴリー分類です。
2、 所見あり。しかし明らかに良性。
3、 良性なのか悪性なのかの判断が付かない。
4、 悪性所見の可能性が高い。
5、 明らかに悪性。
1, 2の様に良性であれば、今後も引き続き、定期的に検診をお受けください。
3のように判断が曖昧な場合は、二次検査が必要となります。
4,5の様に悪性の疑いが強い場合は、精密検査を受け、
その後に今後の治療方針を決定する必要があります。
エコー検査の費用は?
検診で受ける場合、乳腺エコー検査単独で受けることはほとんどありません。
問診・視触診を合わせて、
一般的な費用の目安は、約3、500円から約6、000円ほどです。
又、自覚症状があり検査を受けられる場合には、3割負担で1、050円ほどです。
最後に
乳がんの検査方法はいくつかありますが、検査を受ける方の年齢や健康状態などによりどの検査方法を用いるかは変わります。
検査の前に、ご利用になる医療機関と良くご相談され、ご自身の目的・状態にあった検査をご選択くださいね。
乳腺エコー(超音波)検査で病変が見つかったとき、
追加されることが多い、細胞診、針生検(組織診)についての記事はこちら。
↓
乳がん確定診断のための生検って?