- 乳がんの精密検査・診断
乳がんをCT検査で見つけることはできる?
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簡単に、素早く 詳しい検査ができるCT検査。
頭やお腹のCT検査を身近な人が受けた、という方もあると思います。
造影剤を使わなければ、痛くもない、CT検査。
痛いマンモグラフィーでなく、痛くない検査で見つけられると良いですよね。
乳がんを調べるのに、CT検査は有用なのでしょうか?
乳がん診療での CT検査の位置づけをまとめますね。
Contents
乳がんの検診にCT検査は不向き
まず、結論を言いますと、CT検査は乳がんを発見する検査としては
ほとんど役に立ちません。
1cm以上の腫瘤があっても、はっきり分からないことがあります。
理由は以下の3つ
というわけで、乳がん検診としてCT検査が用いられることはありません。
ただし、まれに他の目的で胸部CTを撮影したとき、
乳房に腫瘤を指摘できることがあります。
(たとえば肺炎が疑われて胸部CTをとったとき など)
先ほども言いましたように、CT検査では乳がんを指摘することも
「がん」か「良性腫瘤」かを区別することも難しいです。
しかし、CT検査で、乳腺腫瘤を指摘されたときは、
必ず、乳がんでないかどうか、詳しい検査を受けてくださいね。
具体的には、乳腺外科に紹介してもらって、
触診、マンモグラフィー検査、エコー(US)検査などで詳しく調べます。
↓ マンモグラフィー検査についてはこちらの記事からどうぞ。
↓ エコー(US)検査についてはこちらの記事から
乳がんで、CT検査を受けるのはどんな時?
CT検査は、乳がんがあると分かったとき、
全身転移の有無を検索するときに用いられます。
特に、リンパ節や肝臓、肺への転移を調べることが主な目的です。
また、施設によっては、乳腺MRIの代わりに、
造影CTで詳しい乳房内の乳がんの位置、広がりなどを判断することもあります。
CT検査とは?
話が前後しますが、では、CT検査とはどのようなものでしょうか?
CT検査は胸のレントゲン写真やマンモグラフィーと同じで、X線を利用した検査です。
画像は横断像(輪切りにしたような像)が普通です。
仰向けで撮影し、指示通り息止めを行います。
造影剤の注入を行う場合は、注射が必要ですが、
CT検査自体では痛みを伴うことはありません。
検査時間は撮影の範囲、造影検査をするかどうかで、
多少異なりますが、3-10分程度の検査です。
CT検査の得意分野
CT検査は短時間で広範囲の詳細な検査を一度に行うことが出来ます。
頸部~胸腹部、と合わせて検査を行って、
リンパ節転移や遠隔転移(主に肺と肝臓)の有無を調べます。
また、他の隠れた病気がないかどうかも、
同時にチェックします。
転移の有無は、今後の治療の方法や順番を決める際の判断材料となります。
CT検査を受けられない人は?
放射線被ばくがありますので、
妊娠中の方は受けることが出来ません。
また、造影剤のアレルギーを起こした方は、
造影CTを受けることはできません。(単純CT検査は可能です)
造影剤は初めてでも、喘息などのアレルギー疾患がある場合や、
腎臓の機能が悪い方なども要注意です。
造影剤使用の場合は必ず、医療機関の説明等をよく確かめてくださいね。
CT検査の費用は?
フィルムの枚数で若干費用が変動します。
だいたいの目安は以下の通りです。
全額負担 | 1割負担 | 3割負担 | |
単純CT | 約20,000円 | 約2,000円 | 約6,000円 |
造影CT | 約35,000円 | 約3,500円 | 約10,500円 |
まとめ
CT検査は乳がんを見つけるための検査としては選択されません。
ただし、他の目的で撮ったCT検査で、乳がんが見つかることもあります。
指摘されたときは、必ず乳腺の詳しい検査を受けてください。
(↓ 乳がんが疑われたとき。検査の流れはコチラから
乳がんが分かったあとのCT検査は
リンパ節転移や遠隔転移(主に肺と肝臓)の有無を調べることが主な目的です。
( ↓ 乳がん治療前の検査の流れはコチラ
担当の医師にご相談の上、適切な検査を受けてくださいね。