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  • 乳がんの精密検査・診断

乳がんの病理検査の結果で分かること

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「乳がん確定診断のための生検って?」の記事で書いたように、
病理検査では、まず、乳がんであるか、ないかについて
調べます。

↓ 乳がんの確定診断についてはこちらの記事から

・乳がん確定診断のための生検って?

そして、病理の組織診の検査で分かるのはそれだけでありません。
乳がんであった場合、その乳がんはどのような性質のものか、
ということを調べることが重要になっています。

今回の記事では病理検査でわかる乳がんの性質について
書いていきますね。

乳がんの性質がわかるとは?

乳がんの性質がわかるとは、そもそも どういう事でしょうか?
また、性質がわかると、どう役に立つのでしょうか?

乳がんと一口に言っても、その中には
比較的おとなしいもの(進行が遅い、治療に反応しやすい)から、
進行が早いかもしれない、治療がやや効きにくい、といったものまで、
さまざまな性質の癌が含まれています。

これらの性質(性格)、を医者によっては、
顔つきが良い、顔つきが悪い、と表現したりします。

個人によって異なる、乳がんの性質が、病理検査の結果で分かるのです。

乳がんの性質がわかると どうなる?

では、その乳がんの性質が分かることは、
どのような点で役に立つのでしょうか?

ずばり、治療方針・方法を考えることに必要です。

乳がんの治療は、手術や放射線治療といった、局所療法と、
クスリを使った、全身療法の二つを組み合わせて行います。

病理の結果は
局所療法で乳がんのまわりをどれくらいとるか、という参考にすることと、

全身療法である、薬物療法の
薬の選択をすることに、役立ちます。

病理結果でわかること

病理結果でみる、重要なポイントは大きく分けて、以下の5つ

・浸潤がんか、非浸潤がんか
・組織型はなに?
・がん細胞の顔つきは?(悪性度)
・脈管浸潤、リンパ節浸潤は?
・がん細胞が持っている、特有のスイッチ(レセプター、受容体)やたんぱく質は?
(ホルモン受容体や、HER2など)

 

それぞれの内容を簡単に説明しますね。

浸潤がんか、非浸潤がんか

乳がんは、乳房内の乳管や小葉というところから、
主にできます。

乳房の図

乳管や小葉を、ブドウに例えて、
乳管ブドウの軸の部分、
ブドウの粒小葉と 考えてみます。

非浸潤がんとは、がん細胞が、軸や粒の皮を破らず、
その中で増えている状態のこと。

fruit_grape非浸潤

浸潤がんとは、がん細胞が、軸や粒の皮を破って、
その外側にも広がっていっている状態、のことです。

fruit_grape浸潤がん

後者の浸潤がんの状態になると、
全身転移などの危険性が高くなってきます。

組織型はなに?

がん細胞は、その増え方に色々な型があります。
その型を分類したものが、組織型と呼ばれるものです。

非浸潤がんでは、非浸潤性乳管がん非浸潤性小葉がん
浸潤がんでは、
乳頭腺管がんや、充実腺管がん硬がん粘液がんなどが主なものです。

それぞれの組織型により、
増え方の特徴などが異なり、治療選択の参考にします。

がん細胞の顔つきは?(悪性度)

がん細胞は、「勝手にどんどん増えていく異常な状態」、
ということが大きな特徴です。

saibou_gan_cancer

この、「どんどん細胞が増えていく状態」=「細胞分裂が活発な状態」ということです。
観察した細胞の中で、分裂中の細胞が多く
全体の形も、もともとの組織の形よりいびつなもの
悪性度が高い と、判断します。

脈管浸潤、リンパ節浸潤は?

脈管浸潤とは、血管やリンパ管のなかにがん細胞がはいっている状態
同じように、リンパ節浸潤は、リンパ節の中にがん細胞が
入っている状態のことです。

脈管浸潤、リンパ節浸潤があると、
全身に病気が広がる、全身転移の可能性が出てくるということです。

乳がんが全身に転移した状態

がん細胞が持っている、特有のスイッチ(レセプター、受容体)やたんぱく質は?
(ホルモン受容体や、HER2など)

細胞とは、正常なものも、がん細胞も、
表面にいろいろなスイッチ(レセプター、受容体やたんぱく質)をもっていて、
そこに刺激を受けることで、細胞が成長したり
変化したりします。

がん細胞だけが持っている特別なスイッチがあると、
そのスイッチを狙い打ちすることで、
効率よく治療が行える可能性があります。

thumbnail_switch

乳がんに特徴的な、スイッチの役割をしている主なものが、
ホルモン受容体(ER,PgR)や、HER2タンパクとよばれるもの。

がん細胞の中で、これらのスイッチがどれくらいの割合で存在しているか、
ということを調べることで、
薬物療法をどのように行うか、について考えます。

まとめ

病理結果でわかる、乳がんの性質について
概要の部分を書きました。

病理検査の結果では、多くのことが説明されます。
その際の参考にしてください。

↓ もしも「がん」と分かったとき、はじめに知っておきたいことについてはこちらの記事から

・がんと診断後、はじめに知っておきたいこと

↓ 乳がん治療選択の流れについてはこちらの記事から

・乳がん治療前に知っておきたい、治療選択の流れについて


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