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腋窩リンパ節廓清とは?適応、必要性、合併症など

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乳がんの手術をするとき、手術をする場所は、主に
乳房そのものと、腋窩リンパ節 の二か所に分けることが出来ます。

今回の記事では腋窩リンパ節の手術、腋窩リンパ節郭清について
書いていきますね。

乳がん手術の腋窩リンパ節廓清とは

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腋窩リンパ節郭清とは、わきの下(腋窩)にある、リンパ節を取る手術のことです。

乳がんの乳房切除術に合わせて、同時に行われます。

リンパ節は脂肪の中に埋もれていますので、
正確に言うと、その部位の脂肪ごと、リンパ節をとります

 

腋窩リンパ節とは?

大きく三つの部位に分けられます。
一般的にイメージする、わきの下の部分が、最も乳がんが初めに転移する場所

そして、その脇の下から、鎖骨に沿って、体の中心側にかけて、
リンパ節転移は進んでいくと考えられています。

腋窩リンパ節郭清の対象となるリンパ節は、
パッとイメージするわきの下のリンパ節だけでなく、
もう少し広い範囲であることを知っておいてください。

腋窩リンパ節廓清が適応となる人は?

触診や術前の画像診断で、腋窩のリンパ節転移が疑われる場合は、
腋窩リンパ節郭清が、乳がんの手術のときに合わせて行われます。

再建術については、乳房手術の前に決める

また、術前ではリンパ節転移ははっきりしなかったものの、
術中のセンチネルリンパ節生検でリンパ節転移が見つかった場合は、
追加で腋窩リンパ節郭清が行われます。

(センチネルリンパ節生検についてはこちらの記事をどうぞ⇒

腋窩リンパを廓清する目的

腋窩リンパ節をとる目的は主に二つあります。

一つ目は、腋窩リンパ節に転移があるかどうか?あるとすれば、何個あるのか?
という、診断のため

二つ目は、転移リンパ節を取り除き、再発を防ぐ治療のため

乳がんが全身に転移した状態診断目的のリンパ節郭清の意味

腋窩リンパ節は、乳がんが転移する初めの場所

そのため、リンパ節に転移がない、となると、全身への転移もないと考えられます

腋窩リンパ節転移がある場合、
その個数が多いほど、全身への転移の可能性が高いと考えられるので、
術後の化学療法をどのように行うか、という判断材料にします。

治療目的のリンパ節郭清の意味

腋窩の転移リンパ節をきっちりと取ることは、腋窩での
リンパ節転移の再発の可能性を減らすので、手術を行うことは意味があります。

ただし、腋窩リンパ節をきっちり取り切ったからといって、
肺や肝臓、骨などへの転移を防ぐことが出来るかどうかについては
まだはっきりわかっていません。

しかし、転移のあるリンパ節をそのままにして、化学療法を行った場合は、
リンパ節郭清を行った場合よりも予後が悪いという報告もあります。

腋窩リンパ節廓清の合併症とは?

腋窩リンパ節郭清はリンパ浮腫を起こしやすくなる

腋窩リンパ節郭清を行うことの一番の合併症は
リンパ浮腫を起こしやすくなることです。

リンパ浮腫は一度なると、治療が難しく、予防が何よりも重要となります。

リンパ浮腫に関しては、別記事で詳しく述べます。

また、手術の痛みや傷口のために
手術を下側の腕を動かしにくくなるという副作用もあります。

こちらは、術後のリハビリを行うことで、ほとんど元の状態まで戻すことができます

まれに感覚の障害が長引くことがあります。

まとめ

腋窩リンパ節郭清は、腋窩のリンパ節に転移の疑いがある場合に行われる
手術の一つです。

腋窩リンパ節を郭清し、詳しく検査をすることで、
術後の治療方針を決定したり、腋窩リンパ節転移の再発を防いだりする目的があります。

術後の合併症としてはリンパ浮腫があり、予防が重要です。

ご自分の状況と照らし合わせて、不明な点は主治医や看護師に問い合わせてくださいね。


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